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Parasite globster(?)/Hundred-eyes globster(grown)
和名:ヤドリカベホウ(?)/成長したヒャクメカベホウ
体長:この個体は75㎜程度
分類:Globster類?
生息域:本個体は日本にて発見。生息壁面はHundred-eyes globsterと同様
本拓本には、世界中でごく普通にみられるWallfish固着種、Hundred-eyes globsterの一部に、芽のようなものを持つスライム状の物体が取りついている様が記録されている。この物体がなんであるのかについて、発見以降多くの研究者たちが議論を交わし続けているのである。
一つの説として挙げられているのは、これが「発芽したHundred-eyes globster」であるとするものである。いまだに繁殖のメカニズムが不明な状態であるWallfishであるが、これこそがそうした繁殖の過程を我々に示す拓本であるというのである。かれらの仮説では、繁殖の際には体内にあった軟質組織が外部に現れ、粘菌類、或いは植物のように先端の「芽」より胞子や卵を散布し、他地域の壁面へとその勢力を広げていくのではないかと考えられている。
もう一つの仮説は、これが既知のWallfish類に寄生する、全く新しい生活様式を持ったWallfishなのではないか、とするものである。こちらの場合は、カビや寄生虫のようにある種のWallfishに寄生し、栄養を得て生活するものと考えられている。この説が正しかった場合、我々はこれまで発見された移動種も含めたWallfishにおいて、その体のどこまでが「自前のもの」であり、どこからが「寄生された可能性のあるもの」であるのかについても今一度検証する必要があるといえる。
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