不可視生物研究室

体長：約230mm

​分類：Longneck類

生息域：中米。光の届かない壁面に生息する。

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　大ぶりな「頭部」と、それに対し非常に細長い「首」を有した、アンバランスな見た目が特徴的なWallfish。しかし本種の最大の特徴は、「観応者」によってでもその視線を感じさせない、「こちらを見ることのない」Wallfishである、という点である。本種の頭部中央には壁目らしき器官が存在してはいるが、多くの「感応者」を対象とした実験の結果、本種にはかれらにすら気づかれずにこちら側を見る能力を持っているか、そうでなければこちら側を見る能力を持たないのではないかと推測されている。代わりに、感応者の一部は本種の発生させると思しき、奇妙な「音」によってその存在を感じ取っている。

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　形容しがたい不快感を伴うというその重低音は、一部の感応者を除いて機材によってですら感知することのできない、「幻聴」にも似た特異なものであるとされる。本種はこの「音」を用いて、イルカや蝙蝠などのようにこちら側の世界を感じ取っているのだろうか。ともあれ、本種の存在は、Wallfishが必ずしも「視線」というものだけによってこちら側の住人に干渉するわけではないということを我々に示している。今後の調査では、本種のようなその人にしか聞こえない「音」はもちろんのこと、「匂い」や「味」などの、他の干渉を受けている人物がいないか、注意深く調べていく必要があるといえる。