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Gotoku-neko

​和名:ホノオアタマヅキ

寄生物:五徳

生息域:日本 

 五徳を頭にかぶった妖怪、というものは鳥山石燕の創作とされる「五徳猫」をはじめ随所に記載される存在であるが、本種もまた「逆さにした五徳」の底から(まるでかぶっているようにして)出現する不可視生物である。こうした寄生形態は「アタマヅキ」とよばれる一部のTsukumoにおいて共通するものである。本種独自の特徴としては、便宜孔からはさらに触手が伸び、複数の便宜孔と思しき器官を展開させている点が挙げられる(カエンアタマヅキの和名はこの様子よりとられている。)。五徳という寄生物に因み、煮炊きによる上昇気流を利用し胞子をより多く拡散させるためのものであるとする説、ヒモムシの吻を思わせることから捕食に用いるとする説など、その意義に関してはいまだ議論が行われており、明確な結論はつけられていない。

 

 ところで、五徳というものはご存知の通り中央が開いたドーナツ型の器具である。本種もそれに対応した姿をとっているが、注目すべきはその体の上方部分に「隙間」のような間隔が開いている点である。一説には、本種の本来の形状は細長い帯状のものであり、これを輪の形にすることで五徳の形状に対応しているのではないかとされている。

​本種が可視化する「五徳を逆さにした状態」のイメージ。

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