不可視生物研究室

　今回ここに公開するのは、作成年代・作成地共に不明なスケッチの一部である。なんらかの病を患った患者の病状を記録したものであると推測されるが、奇妙であるのはそのいずれもが、何か未知の物体に寄生されたことで体全体、あるいは一部が著しく(あえて言えば怪物のように)変化しているという点である。寄生する不可視生物といえばTsukumoが挙げられるが、かれらの中に有機物、生体に寄生するものはその存在可能性が議論されつつもいまだ発見されていない。そのような種が本当に存在しており、それに寄生された人々こそがこのスケッチ集に記録された患者であるとすれば、かれらのその奇妙な病状、及びそれらが(創作でなければ)実在したにもかかわらず現在の医学史において全く記録されていないことの説明をつけることは可能であるといえよう。