top of page

・生態

 Footprintsたちの生息域は他の不可視生物同様幅広く、世界中の様々な環境に対応、生息している。ただし、窪みを作り生活するという都合上、地面や砂地といった「足跡のつきうる」比較的柔らかな場所にしか生息しない。また、条件さえ整えば地面に限らず壁などにも生息することが可能であるとされている。

 かれらの生態は他の不可視生物と比べて謎が多い。多くの場合群体を組みそこに留まった状態でしか発見されず、移動をはじめ生活の痕跡を何ら見せることがないからである。

また先述のとおりかれらの体と住んでいる足跡はふとした自然現象で消失してしまいやすいほか、まれに自然死と思われる事象によって窪みだけを残し消失する場合も存在する。このため、自然界で生きた彼らを見つけ、研究すること自体が非常に困難なのである。

このため、かれらの生態は推測的なものにならざるを得ないわけであるが、現在分かる情報より、有力なのはホヤやサンゴをはじめとする固着的な生態を持つというものである。即ち、幼体、ないし卵は空中を浮遊したのち地面に着床、歳月を経たのち我々の知る足跡状の物体となって群体を形成し、その中で再び生殖行動を行い、幼体を発生させる、というものである。以上は左右体をそれぞれ雄雌であるとする推測に基づく考えであるが、あるいはキノコのように単に胞子などを散布するものであるのかもしれない。しかし、この場合、どのようにしてかれらがあのような規則的群体を形成することができるのかという疑問が生じる。無難な説としては、かれらは通常地面に潜行して過ごす生物であり、例えば生殖の際などの限られた期間に限り、互いの存在を察知して地中で移動を行い、その姿を地上に表すという説である。この説ならば、かれらが突如として出現するように見えることや後に足跡状の窪みを残して消失することへの説明がつく。この説が正しいとすれば、地中にいる状態のFootprintsというものは現在我々が知る姿とはまた異なる外見をしているのかもしれない。

 一方、別な説として興味深いのは、かれらをAtmospheric beastsと関連付けたものである。この説によれば、Footprintsはかれらの卵、あるいは幼体(または刺胞動物におけるポリプ)に相当するものであり、地中深くで成長したのちに地表へと顔を出し、空中を飛び回る姿となって旅立つ、という生活環をもつとされる。また、逆にFootprintsが集まり、放出する卵又は幼体がAtmospheric beastsなのだ、とする意見も存在する(この考えに則れば、この生物は本来的には地中に住む生物であるということができる)。

この説の真偽はいまだ不明ではあるが、この両者の関連性については面白い情報が存在する。後述するように、かれらFootprintsたちは雪男をはじめとする「未確認動物」の足跡の正体である可能性の高い存在であるが、こうした未確認生物の正体をめぐる議論の中に「エイリアン・アニマル」または「エイリアン・ペット」説、というものが存在する。これは、特定の未確認生物においてはその出現と同時期、同地域で未確認飛行物体の目撃がなされていることに由来するものであり、その未確認飛行物体の操縦者である宇宙人が連れてきたペットこそが、現在目撃される未確認動物ではないか、とする説である。一方、Atmospheric beastsという不可視生物はその姿や生態から未確認飛行物体の正体ではないかとされる存在である。実際にAtmospheric beastsとFootprintsが同じ場所で発見されたという事例が存在していないため確証はないものの、もしこうした目撃情報上における「未確認飛行物体」が「Atmospheric beasts」、そして「未確認動物(の足跡)」が「Footprints」であるならば、両者に深い関係性があるとするこれらの説についてもその信ぴょう性は非常に高くなるといえるだろう。今後の調査では、今までとは異なり「空中」と「地面」、二つの世界を念頭においたものとすることが必要となってくるといえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・Footprints、およびAtmospheric beastsの生活環予想図。白文字はFootprints成体説、黒文字はAtmospheric beasts成体説を示す。このようにしてみるとクラゲなどの生活環によく似ているように見えるが、Atmospheric beastsについてその正体を空中へ進出した刺胞動物とする説が存在している点も興味深い。

​卵、或いは胞子の放出

孵化、成体へ

成長した幼体は地中へもぐる

​地中へ卵を産み付ける

​成長した個体は地表へ

​成長した幼体は孵化のため地表へ

bottom of page