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八脚鶏
世界中の様々な「未知なる食材」を食してきた団体、「霞食会」が残した端書のひとつ。
本食材は、ごく稀に鶏卵の「黄身」にそっくりすり替わる形で生息する生物で、八つの脚を持つ爬虫類のような姿をしていたという。かれらは世界中から集められた無数の鶏卵を、まるで「くじを引くように」本種が出てくるまで割り続け、残りはすべて捨てていたというのだから驚きである。しかしながらその味はその浪費に十分見合うだけのものであったらしく、会員の中にこれを発見したものが出ると争うように取り合ったと言われている。
「八脚鶏」が入っていたとされる鶏卵の殻。これ自体は何の変哲もない卵の殻であり、八脚鶏の痕跡を入手することは不可能であった。
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